即金のIPOを初値で買って儲かるのか?

今回は過去に失敗したシステムトレードの事例を紹介したいと思います。

2015年の10月~12月ごろに頑張って実装したものの、成果を上げられなかった戦略に
「即金のIPOを初値で買って、翌日の始値で売る」という戦略がありました。

「即金」とは簡単に言うと、

 ①上場初日に値が付かなかった株に対して実行され
 ②購入するには「買付余力」ではなく「現金」が必要になる、

という点が通常の株取引とは異なります。
(②がよくわからない方は、信用規制みたいに買いたくても買えないケースが出てくる、というぐらいに覚えておいてください)

「即金」の仕組みは私自身知っていましたし、「即金IPOはセカンダリー投資しても儲かる」という噂も聞いていました。
さらに当時の投資雑誌にも小さく紹介されていたのを見て、自身で検証してみようと思ったのです。

2013年~2015年のIPOから即金になったものを調べ、リターンを計測しました。
調べてみると、たしかに期待値はプラスでした。そして、デイトレより1日持ちこして売る方が儲かるということを発見しました。

また、数字だけではなく理論的な裏付けができるかどうかについても検討しました。

IPOのセカンダリーを買ってくる投資家(つまり、この戦略がカモとしている人)の視点で考えてみましょう。

・IPOのセカンダリーで上場日やその翌日に買ってくるのは個人投資家がほとんどでしょう。
・かつ、ザラバで買ってくるのはプロやセミプロのデイトレーダーが多いでしょう。
・初日が取引成立せず、即金になっているということは、プロやセミプロなら事前に耳に入っているでしょう。
・しかし、即金規制を警戒して初値で買いに行く人は少数ではないでしょうか。
 →いきなり即金規制の銘柄を買ってしまったせいで余力がなくなり、ほかのチャンスをみすみす逃してしまった、という過去が脳裏をよぎり・・まずは自分の得意としている銘柄をいくつか仕掛けてみて、余力(現金)が余っているようなら、IPOの方に食指を伸ばしてみよう・・。

上記の想定で動いてくる投資家が一定数いれば、今回の戦略は優位性(エッジ)を保てるはずです。

さて、前置きが長くなりましたが、このバックテストの結果は以下の通りです。

右肩上がりのようにも見えますが、直近ではほぼ横ばいが続いていることがわかります。
期待値は4.68%となっていますが、これも直近ではほぼトントンです。

ほかにも改善点を探してみたのですが、思うようには行かず、結局お蔵入りのストラテジーとなりました。

しかし、なぜ2015年ぐらいから機能しなくなってしまったのでしょうか?(雑誌掲載の前から優位性は消えているように見えます)

ひとつはやはり2013年から始まったアベノミクスがひと段落してしまったことでしょう。デイトレーダーが多くの余力を持っていて初めて、この戦略は機能します。

もう一つはアマチュアなトレーダーの数が減ってしまったことではないでしょうか。IPO銘柄は過大に評価されやすく、セカンダリー投資は損になることが多い、というのは世界的にも確認されています。(IPOが ‘it’s probably overpriced’の略だというのはよくあるジョーク)
それでも飛びついて買ってくれるイナゴチックな投資家のおかげで2013~2014年は儲かったのでしょう。それらが淘汰された後には、優位性も消え失せていたということだと思っています。

いつか再び優位性が出てくることを期待して、2軍ストラテジーの一つとしています。

にほんブログ村 株ブログ 株 自動売買へ
にほんブログ村








シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする